少し前に、東京の町田市立国際版画美術館の
「パリに生きた銅版画家 長谷川潔展―はるかなる精神の高みへ―」
に行ってきました。
(こちらは、会期終了済み)
初めて町田に行ったけど、近くに雑木林や緑の多い大きな公園があって、一度来ただけでとても好きな場所になりました。
実は、以前別の美術展で長谷川潔の作品を観てから、もう一度会いたくて。
たまたまタイミングよく東京に来ていたので、それがやっと叶いました。
パリで活躍した銅版画家の長谷川潔。
日本で版画を制作し始め活動していた時期の作品から、パリで活躍した時期までの繊細な版画作品が楽しめました。
長谷川潔の作風は写実というよりは、その奥にある精神的な表現を追求しているその世界観が好き。
特に晩年の深い漆黒の表現が好きです。
一言で黒といっても何段階にも調子を変えた黒は表現に奥行きを与えていて、ずっと見ていてもあきません。
野花を刻んだ作品は、どこかルドンに似ているなと思っていたら、ルドンに影響されたと知ってうれしくなりました。
わたしもルドンが好きで、好きな人が同じものを好きだとうれしいものです。
晩年に移ると、さらに「マニエル・ノワール」と呼ばれる黒の表現は深くなって、陰鬱ではない影のようなものも感じます。
観てると吸い込まれそうになりますね。
アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船
花(切子ガラスに挿したアネモネと草花)
コップに挿した枯れた野花
狐と葡萄(ラ・フォンテーヌ寓話)
アカリョムの前の草花
美術館の近くでスズランが群生していました。
またぜひ訪れたい美術館です。