先日、曜変天目で話題のミホミュージアムに行ってきました。
あいにくの雨模様。
ちょっと遅めのスタートです。
JRに乗って石山駅で下車。
すぐ近くには京阪電車も走っていて、のどかないい感じです。
石山駅からはのんびりと路線バスの帝産バスで行くことに。
それ以外では車で行くしか方法はないようです。
バスの時間は1時間に1本なのでタイミングが悪いとだいぶ待つことになります。
そう広いわけでは無いバスのロータリーにはバスを待つ人がちらほら。
どうもほとんどがミホミュージアムに行く人たちのようです。
外国人の方も多くて個人で旅行しているような感じ。
欧米、アジアからきたであろうインターナショナルな旅行者たちと、のどかな石山駅とがなんともミスマッチで、でも遠くから来てくれたんだなぁと思うとなんだかうれしいですね。
ロータリーにはバスとミホミュージアム入場券がセットになっているチケット券売機があって、ここで買っておくと後の時間が節約できるのでおすすめです。
1時間待つのかと思ったら臨時の直通バスがきてくれてラッキーでした。
混んでる時だけの臨時バスらしく、路線バスだと50分かかるけど直通便なので30分ほどで着きました。
ただかなり混んでて行きは普通席に座れたけど、なんと帰りは補助席(あの観光バスにあるような・・・)でした。
クネクネ山道もあるのでバス酔いする方は要注意ですよ。
こんなところも通りましたよ。
瀬田の唐橋。
瀬田川沿いには桜が咲いていて、雨でしたがしっとりとしたこれはこれで趣のある瀬田の唐橋でした。
そしてしばらくバスに揺られて山道を。
本当にこんな山の中に美術館なんてあるんだろうかと疑い始めたころに到着するので、どうぞ心配しないでくださいね。
やっと到着して枝垂れ桜の道を進んでいくと、歩いて長いトンネルを通ります。
タイミングよくしだれ桜が見ごろで、あまりの美しさに写真を撮りたくなる気持ちを抑えられません。
カーブしてる先の見えないトンネルは、実のところ少し苦手です。
閉所が苦手で、長いトンネルも苦手なんです。
誰だって先行きが見えないのは不安ですよね。
ミホミュージアムへと続くトンネルは光沢のある美しい曲線を描いていて、今きた現世と遮断されたような気分になります。
たった一人だと不安かもしれない。
速いスピードで駆け抜けたら、ワープしてしまうかもしれないなと思ってしまいました。
自然の山の中にある美しい非現実的なトンネル。
美術館に到着する手前で味わえます。
美術館に入ると目の前にガラスの屏風が広がります。
美術館のエントランスからの眺めは、雨のせいもあってさながら水墨画のよう。
建築設計はパリのルーブル美術館のガラスのピラミッドやワシントンのナショナルギャラリー東館を設計したI.Mペイで、設計のテーマは桃源郷。
桜に包まれた遊歩道からトンネルと橋を経て美術館へと至る構想は、中国の古典、陶淵明の「桃花源記」に描かれた桃源郷がモチーフになっているそうです。
現世からトンネルを通って桃源郷へたどりついて、いくぶん気持ちが高揚してるのを感じながらいよいよ目的の国宝“曜変天目”をみてきました。
企画展の「国宝曜変天目と破草鞋」に入るときに入場制限で少し並んで、中の曜変天目の前でも少し並びました。
それでもガラスケースに入っていた曜変天目のまわりをぐるりと360度まわって見ることができました。
闇の中に浮かぶ星々のような輝きは、奇跡のような模様でしたよ。
初めてのミホミュージアムは驚きの連続でしたが、一番の驚きは曜変天目もですが、その素晴らしいコレクションの数々。
今回の企画展「国宝 曜変天目と破草鞋」以外に、コレクションを展示している部屋がたくさんあって、日本美術はもちろん中国、アジア、エジプト、ギリシア、ローマまで、美しい古代美術を展示しています。
紀元前のものも美しいかたちを残しているものがたくさんあって見ごたえがありました。
帰りはまた橋を渡って霧がかかった現世へのタイムトンネルの入り口へ。
もしかしたら石山駅からこの桃源郷へのアトラクションは始まっていたのでしょうか?
遠くから時間をかけてきても、コレクションをみるだけでも十分満足できますよ。
滋賀の山奥にある桃源郷は海外から見にくるほど素敵な場所でした。